結論から
上限額まわりで迷いやすい点は、次のとおりです。
- 上限は年収と家族構成でほぼ決まる。年収500万円・独身なら約6万2,000円
- 自己負担2,000円は年間の合計に対して1回だけ。何自治体に分けても2,000円のまま
- 始められる目安は独身で年収約115万円から、夫婦+高校生1人なら約215万円から
- 上限を超えた分は1円も戻らない。返礼品は届くが税の優遇はない
- 申し込みの締切は12月31日(決済完了ベース)。ワンストップ特例の申請書は翌年1月10日必着
年収・家族構成別の上限額 早見表
自分の年収に近い行を見てください。共働きで配偶者控除を受けていない場合は「独身・共働き」の列が該当します。
| 年収 | 独身・共働き | 夫婦 | 夫婦+高校生1人 |
|---|---|---|---|
| 200万円 | 16,000円 | 8,200円 | 2,000円 |
| 250万円 | 22,500円 | 14,700円 | 6,900円 |
| 300万円 | 29,000円 | 21,200円 | 13,400円 |
| 350万円 | 35,500円 | 27,700円 | 20,000円 |
| 400万円 | 43,000円 | 35,200円 | 27,400円 |
| 450万円 | 53,800円 | 42,900円 | 35,100円 |
| 500万円 | 61,900円 | 53,700円 | 42,800円 |
| 600万円 | 78,300円 | 70,000円 | 61,700円 |
| 700万円 | 109,400円 | 99,900円 | 79,100円 |
| 800万円 | 131,000円 | 121,500円 | 112,100円 |
| 1,000万円 | 178,600円 | 169,100円 | 159,600円 |
| 1,500万円 | 371,700円 | 360,000円 | 348,200円 |
| 2,000万円 | 523,100円 | 511,400円 | 499,700円 |
※ 給与収入のみ・社会保険料は概算・100円未満切り捨て。医療費控除、住宅ローン控除、iDeCo、副業収入などがある場合は上限が変わります。この表はふるさと納税上限額計算ツールと同じ計算式で作成しており、条件を細かく指定した金額はツール側で確認できます。
年収が上がるほど上限は増えますが、比例ではありません。所得税率が上がる境目(課税所得330万円・695万円・900万円など)で上限額の伸び方が変わるため、年収600万円と700万円のあいだのように差が大きく開く区間があります。
年収いくらから意味があるのか
上限額が自己負担の2,000円と同額なら、寄付しても税の優遇は実質ゼロです。上限が2,000円を上回りはじめる年収は家族構成で次のように変わります。
| 家族構成 | 始められる年収の目安 | そのときの上限 |
|---|---|---|
| 独身・共働き | 約115万円 | 2,000円 |
| 夫婦 | 約155万円 | 2,200円 |
| 夫婦+高校生1人 | 約215万円 | 2,400円 |
| 夫婦+大学生1人 | 約235万円 | 2,200円 |
扶養する家族が増えるほど各種控除で住民税所得割が下がるため、同じ年収でも上限額は小さくなります。目安を下回る場合や住民税が非課税の場合は、返礼品の価値より自己負担のほうが大きくなることがあるため、無理に利用する必要はありません。
寄付したい金額から必要な年収を逆引きする
「30万円分の返礼品を狙いたい」というように、寄付額のほうが先に決まっている場合の逆引きです(独身・共働きの場合)。
| 寄付したい額 | 必要な年収の目安 | そのときの上限 |
|---|---|---|
| 30,000円 | 約310万円 | 30,300円 |
| 50,000円 | 約440万円 | 52,100円 |
| 100,000円 | 約660万円 | 100,700円 |
| 200,000円 | 約1,090万円 | 200,700円 |
| 300,000円 | 約1,350万円 | 326,200円 |
| 500,000円 | 約1,930万円 | 501,900円 |
配偶者控除や扶養控除がある場合は、同じ寄付額でもより高い年収が必要になります。上の早見表と合わせて確認してください。
「自己負担2,000円」の仕組み
ふるさと納税は、2008年に始まった寄付金控除の特例です。任意の自治体に寄付すると、2,000円を超える部分が所得税・住民税から控除されます。「ふるさと」とついていますが出身地である必要はなく、全国どこの自治体でも構いません。
年収500万円・独身の人が上限いっぱいの6万円を寄付した場合、お金の流れはこうなります。
- 寄付した6万円のうち2,000円が自己負担
- 残り5万8,000円が翌年の所得税・住民税から控除される
- 実質2,000円の負担で6万円分の返礼品を受け取れる
誤解が多いのが自己負担の数え方です。2,000円は寄付1件ごとではなく、その年の合計に対して1回だけかかります。5自治体に1万2,000円ずつ計6万円を寄付しても、自己負担は2,000円のままです。寄付先を分散しても損はしません。
確定申告不要の「ワンストップ特例」
会社員など確定申告をしない人向けにワンストップ特例制度があります。年間5自治体以内への寄付であれば、各自治体に申請書を提出するだけで、確定申告なしに住民税から全額控除されます(所得税からの還付はなく、翌年の住民税が減額されます)。
申請書は翌年1月10日必着です。寄付の締切(12月31日)とは別なので、年末に寄付した場合は特に間に合わせる必要があります。
次の場合はワンストップ特例が使えず、確定申告が必要です。
- 6自治体以上に寄付した場合
- 医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告をする場合
- 年収2,000万円超の高額所得者
- 副業など給与以外の所得が20万円を超える場合
返礼品のルールと選び方
総務省は2019年以降、返礼品のルールを厳格化しています。現在のルールは返礼品の価値は寄付額の3割以下、地場産品に限るというものです。このルールにより、極端に高い還元率の返礼品は減少しました。
選び方としては、日常的によく使うものを選ぶのが最も経済合理的です。米・肉・魚介類など消費頻度の高いものは家計節約に直結します。上限額が大きい場合は、定期便で分割して受け取ると冷凍庫があふれる失敗を避けられます。
よくある失敗と注意点
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上限額を超えて寄付する
超えた分は税金が戻らない単純な支出になります。年末の駆け込みで起きやすいので、寄付前に必ず上限を確認しましょう。
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年の途中で収入が変わったのに前年の年収で計算する
上限は「寄付する年」の年収で決まります。転職・退職・育休などで収入が変わった年は、その年の見込み年収で計算し直してください。
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12月31日の決済に間に合わない
寄付の締切は12月31日の決済完了ベースです。申し込みだけして決済が年をまたぐと翌年分になります。クレジットカード以外の支払い方法は特に余裕を持って。
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ワンストップ特例の申請書を出し忘れる
翌年1月10日必着です。期限を過ぎると確定申告が必要になります。寄付のたびに申請書を出す点にも注意してください。
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住民税非課税世帯なのに利用する
控除の受け皿となる住民税がないため恩恵を受けられません。学生や収入の少ない方はご注意ください。
よくある質問
ふるさと納税は年収いくらからできる?
独身・共働きなら年収およそ115万円、夫婦(配偶者に収入なし)なら約155万円、夫婦+高校生1人なら約215万円を超えたあたりから、自己負担2,000円を上回る控除が受けられるようになります。これを下回ると上限額が自己負担額と同じ2,000円になり、寄付しても実質的な得はありません。住民税が非課税の世帯も恩恵を受けられません。
複数の自治体に寄付しても自己負担は2,000円のまま?
そのままです。自己負担2,000円は寄付1件ごとではなく、その年に寄付した合計に対して1回だけかかります。上限額の範囲内であれば、5自治体に1万円ずつ計5万円を寄付しても自己負担は2,000円です。ただしワンストップ特例を使えるのは年間5自治体までで、6自治体以上に寄付した場合は確定申告が必要になります。
30万円寄付できるのは年収いくらくらい?
独身・共働きの場合で年収およそ1,350万円が目安です。10万円なら約660万円、20万円なら約1,090万円、50万円なら約1,930万円が目安になります。配偶者控除や扶養控除がある場合は、同じ寄付額でもより高い年収が必要になります。
上限額を超えて寄付するとどうなる?
超えた分は控除されず、そのまま自己負担になります。たとえば上限6万円の人が8万円寄付すると、自己負担は2,000円+超過分2万円=2万2,000円です。返礼品は受け取れますが、税制上の優遇はありません。年末に慌てて寄付するときほど超過が起きやすいので、寄付前に上限を確認してください。
共働きの場合はどちらの年収で計算する?
寄付する本人の年収で計算します。世帯の合計年収ではありません。夫婦それぞれが自分の名義で寄付すれば、それぞれの上限額まで控除を受けられます。配偶者に一定以上の収入があり配偶者控除を受けていない場合は、早見表の「独身・共働き」の列を見てください。
社会人1年目でもふるさと納税はできる?
できます。ただし初年度は勤務月数が少ない分だけ年収が低くなるため、上限額も小さくなります。4月入社なら9か月分の見込み年収で計算してください。控除されるのは寄付した年の翌年度の住民税なので、1年目にまだ住民税を払っていないこと自体は問題になりません。
ワンストップ特例と確定申告はどちらがいい?
確定申告をする予定がなく、寄付先が年間5自治体以内なら、ワンストップ特例のほうが手間がかかりません。翌年1月10日必着で各自治体に申請書を提出します。医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告をする場合は、ワンストップ特例が無効になるため、寄付分も確定申告に含めてください。控除の総額はどちらでも変わりません。
参考資料
※ 本記事の早見表は、総務省が示す計算式(上限額 = 住民税所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税率 × 1.021)+ 2,000円)に基づく当サイトの試算です。給与収入のみ・社会保険料は概算・他の控除なしを前提とした目安であり、実際の控除額を保証するものではありません。正確な金額はお住まいの自治体または税務署にご確認ください。